英語の通じる日本の不動産仲介会社:買う前に自分で確かめる方法

英語の通じる日本の不動産仲介会社:買う前に自分で確かめる方法
2026年10月23日時点で、英語の通じる仲介会社を選ぶときに最初に見るのは、英語の力ではなく宅地建物取引業の免許です。不動産の売買の仲介を業として行うには免許が要り、免許の無い者は、この仕事をする旨の表示や広告もできません[1]。免許は国の検索で自分で調べられ[2]、行政処分も国の別のサイトで確かめられます[3]。
そのうえで、二つのことを聞きます。媒介契約を結ぶのはどこか、そして重要事項説明を誰がするか。重要事項説明は、買主が宅地建物取引業者でない場合に、売買の契約の前に宅地建物取引士が行う決まった説明です[4]。英語でメールをやりとりしている担当者が、そのどちらでもないこともあります。
海外に住んでいる方や日本に移り住む方で、億円単位の住まい・別荘・一棟の建物を検討している方に向けて書いています。この記事は法律の解説ではなく、どこを見て何を聞くかをまとめたチェックリストで、制度がご自身の場合にどう当てはまるかは扱いません。税金・ビザ・融資・手数料の額も扱わないので、それらは税理士・司法書士・弁護士にご相談ください。
なお、このサイトを運営する会社も仲介手数料を収入にしている仲介会社です。下の確認は、当社にもそのまま当ててください。
結論:外国人が日本の仲介会社を確かめる方法
| 確かめること | 見る場所 | よい答えの目安 |
|---|---|---|
| 宅地建物取引業の免許はあるか | 国の宅地建物取引業者の検索[2] | 商号と免許証番号が、仲介会社から聞いたものと合っている |
| 行政処分は受けていないか | 国土交通省の行政処分の検索と、免許を出した都道府県の公表[3] | 何も載っていない。載っていれば、確かめられる説明がある |
| 誰と契約するか | 媒介契約。仲介会社と結ぶ契約で、売主と結ぶ売買契約とは別のものです。仲介会社は書面で、承諾すれば電磁的方法で渡さなければなりません[5] | 免許を自分で確かめた宅地建物取引業者(法人か個人)。海外の提携先や担当者個人だけではない |
| 誰が重要事項説明をするか | 契約の段階より前に聞く | 宅地建物取引士が、説明のときに宅地建物取引士証を示す[4] |
| 手数料は書面に書かれているか | 媒介契約の書面。報酬に関する事項が載る[5] | 額が書面に書かれている。報酬には法律で上限があります[6]。売主から直接買う場合は、そもそも媒介契約があるかを聞く |
手順1:免許を自分で確かめる
免許は、事務所をどこに置くかによって国土交通大臣か都道府県知事が出し、5年ごとに更新が要ります[7]。これで、どこを調べればよいかが分かります。
- 免許証番号と日本語の正式な商号を聞く。 宅地建物取引業者は事務所ごとに標識を掲げる決まりで、そこには免許証番号・商号・代表者氏名、2025年4月1日からは専任の宅地建物取引士の数などが載ります[8]。ウェブサイトやメールの署名に免許証番号が無ければ、問い合わせて聞きます。
- 国の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で調べる。 宅地建物取引業者を検索できます[2]。聞いた商号と番号に照らし合わせます。三重県の案内によると、この検索の更新は月2回で、新しい情報が載るまで時間差が出ることがあります[2]。たとえば兵庫県は、免許行政庁を確かめる場所としてこの検索を案内しています[2]。
- さらに詳しく見るなら名簿を閲覧する。 免許行政庁は宅地建物取引業者名簿を閲覧できるようにしています。三重県の例では、商号・免許証番号・免許年月日・役員や代表者の氏名・事務所の所在地などが載っています[9]。
- 行政処分を確かめる。 国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」は宅地建物取引業者を対象にしており、たとえば京都府は、全国の監督処分情報はこのサイトを見るよう案内しています[3]。都道府県も自ら行った監督処分を公表していて、京都府は過去5年以内の分を、埼玉県と北海道は処分の日から5年間を載せています[3]。都道府県知事の免許なら、その都道府県のページも見ておきます。
免許を調べても分からないこともあります。検討している種類の物件に慣れているか、契約の場で通じるだけの英語力があるか、売主の側も仲介しているか。これらは下の質問で確かめます。
手順2:誰が何をするかを確かめる
海外の買主は、何人もの人を経てやりとりすることがあります。書類やお金を送る前に、一人ひとりが誰なのかを書き出しておきます。
| やりとりする相手 | 確かめること |
|---|---|
| 日本の仲介会社の英語の話せる担当者 | 宅地建物取引士か。違うなら、宅地建物取引士は誰で、その人が重要事項説明をするか[4] |
| 自分の国の仲介会社や紹介の提携先 | 媒介契約を結ぶのは日本のどの宅地建物取引業者で、免許証番号は何か |
| 通訳や移住のコンサルタント | 誰が手配し、誰が費用を払うか。理解を助ける役で、説明そのものは宅地建物取引士が行う[4] |
| デベロッパーの販売事務所(新築) | 売主が宅地建物取引業者なら同じように調べる[1]。別の仲介会社も入るかを聞く |
宅地建物取引業者の事務所には、それぞれ専任の宅地建物取引士を置く決まりがあります[10]。ただし、英語で答えてくれる人がその一人とは限らないので、聞いて確かめます。
手順3:契約の前に聞くこと
同じ質問を2〜3社に送り、書面の答えを比べます。答えの分かりやすさと早さからも、多くのことが分かります。
人について
- 私と媒介契約を結ぶのはどの会社で、免許証番号は何か。
- 重要事項説明は誰がするか。その人は宅地建物取引士証を示すか[4]。通訳は誰がして、誰が手配するか。
- この取引で売主の側も仲介しているか。しているなら、どう扱い、そのことを書面で知らせてくれるか。
- 購入の後の窓口は誰か。その人は英語が話せるか。
書類について
- 媒介契約書・重要事項説明書・売買契約書は、どの言語のものが正本か。訳文があるなら、それが正本か参考の訳かも聞きます。業界団体のコラムは、宅地建物取引業法は外国語での重要事項説明を義務付けていないとしています[11]。どの版が正本かを聞き、署名の前に書面で答えをもらいます。
- 誰が訳し、訳文はいつ届くか。説明の前か、後か。
- 媒介契約は書面か電磁的方法のどちらで渡すか。報酬は書かれているか[5]。
問題が起きたときの備えについて
- 買主が宅地建物取引業者でなければ、仲介会社は契約の前に、「供託所等に関する説明」として、営業のために供託している供託所か、法律にもとづいて指定された協会の社員であればその協会の名称を説明しなければなりません[12]。その名称を控えておきます。指定された協会は、会員の業者が扱った取引についての苦情を受け付けます[13]。
- 社内で苦情を受けるのは誰で、何語で対応するか。
物件の種類について
- 一棟の建物・リゾートマンション・この街の家族向けの住まいなど、今回と同じような取引をここ数年で何件扱ったか。顧客の名前を出さずに一例を説明してもらえるか。
億円単位の購入で、ほかに確かめること
一棟の建物や別荘、会社を通じた購入では、英語の力よりも仲介会社の経験のほうが大事になります。
- 海外からの送金。 手付金と残金の時期を誰が銀行と調整するか、それぞれの支払いをどの口座に誰の名義で送るかを聞き、送る前に口座の情報を電話で確かめます。海外に住む人について、司法書士が本人確認や署名のどの書類を、どれくらい前までに求めるかも聞きます。会社で買うなら会社のどの書類が要るかを聞きます。本国の書類が遅れると、決済の日が動くことがあります。
- 一棟の建物。 契約の前に、賃貸借契約・賃料の一覧・建物の検査や許可の書類を仲介会社が集めるか、誰が中身を確かめるかを聞きます。入居者の敷金と管理会社との契約をどう引き継ぐかも聞きます。
- 海外にいながら持つ別荘。 購入の後に誰が管理するか、その会社は仲介会社と別か、仲介会社と管理会社の間で引き継ぎをどう分けるかを聞きます。人に貸してよい物件かどうかは、別に確かめます。
- 将来の売却。 海外に住んだまま同じ仲介会社に売却を頼めるか、報告は何語で届くかを聞きます。売却のときに専任媒介契約を結ぶと、仲介会社は物件を指定流通機構(レインズ)に登録し、業務の処理状況を定期的に報告しなければなりません[14]。どの種類の契約を勧めるか、その理由も聞きます。
- 関係者のとりまとめ。 司法書士・通訳・管理会社を仲介会社が手配するか、ふだんどこと組んでいるか、自分で選んでもよいかを聞きます。
不利な点と、この確認の限界
- 免許は最低限の条件で、推薦ではない。 免許はこの仕事をしてよいことを示すだけで[7]、仕事の質については何も語りません。
- 記録には限りがある。 たとえば京都府・埼玉県・北海道は、自ら行った処分を5年間載せる形です[3]。免許の検索も、新しい変更が載るまで時間差が出ることがあります[2]。それより前のことは仲介会社に直接聞き、署名の直前にもう一度調べます。
- 実績が短いことは、それだけで危ないしるしではありません。ただし、似た取引の例を聞きます(手順3の最後の質問)。
- 売主の側も仲介していることがある。 質問3で聞き、価格についての助言はそのことを踏まえて聞きます。
- 英語が流暢なことと、宅地建物取引士の説明は別。 重要事項説明は宅地建物取引士が行います[4]。その人が日本語しか話さないなら、通訳の時間を見込み、書類を前もって読んでおきます。
- 説明が日本語だけのこともある。 業界団体のコラムは、宅地建物取引業法は外国語での重要事項説明を義務付けていないとしています[11]。訳文をもらうときは、どの版が正本かを書面で聞きます。
- 役所が争いを解決してくれるとは限らない。 国土交通省の関東地方整備局は、宅地建物取引業法違反の通報制度ではトラブルの仲裁をしないとし、弁護士や関係機関に問い合わせるよう案内しています[15]。都道府県では、たとえば兵庫県は、県知事の免許を受けた業者との宅地建物取引業法に係る相談は受けますが、返金請求や損害賠償請求のような民事上の紛争は対象外です[15]。大きな争いになったら、弁護士に頼むつもりでいます。
- 仲介会社は仲介手数料を受け取り、その額には法律で上限が決まっています[6]。このサイトを運営する会社も仲介手数料を収入にしている仲介会社です。急いで決めるよう勧められたら、そのことを頭に置いて考えます。
結論が変わる条件
- 仲介会社を通さずに買う(個人の売主から直接買うなど)。上の手順は宅地建物取引業者が入ることが前提です。代わりにどんな確認と説明を受けられるかを、弁護士や司法書士に聞きます。
- 海外の仲介会社としかやりとりしていない。 この場合は手順2がいちばん大事です。日本の宅地建物取引業者を突き止め、手順1のとおりに調べます。
- 免許が国土交通大臣ではなく都道府県知事のもの。 国土交通省の検索に加えて、その都道府県の監督処分のページも見ます[3]。
- 一棟の建物やホテルのような物件を買う。 書類も関係者も増えるので、言葉より先に、その種類の物件での仲介会社の経験を確かめます。
- 制度が変わる。 このチェックリストは2026年10月23日時点のものです。その後の変更は、下の出典で確かめてください。
よくある質問
英語の通じる日本の仲介会社は、どう探せばよいですか。 免許証番号を公開している仲介会社を2〜3社に絞り、それぞれの番号を国の検索で調べ[2]、行政処分も確かめます[3]。そのうえで手順3の質問を同じように送り、書面の答えを比べます。とくに、誰が重要事項説明をし、誰が通訳するかを見ます[4]。
外国人向けの仲介会社には、特別な免許がありますか。 ここで挙げた出典が示しているのは、国土交通大臣か都道府県知事が出す宅地建物取引業の免許だけで[7]、外国人の買主を相手にするための別の免許には、どの出典も触れていません。国土交通省は、外国人との取引について事業者向けの実務マニュアルと、2014年度に公開した不動産取引に関連する法律の英語版の資料を公表しています[16]。ページにはその後の更新の記載が無いので、それ以降の法改正は別に確かめてください。
東京の英語の通じる仲介会社でも、同じですか。 同じです。どの段取りを自社でし、どれを司法書士・弁護士・税理士に任せるかを聞き、免許を確かめ[2]、誰が媒介契約を結び誰が重要事項説明をするかを書面で確かめます[4]。会社がどこにあっても変わりません。
契約書は英語になりますか。 決めつけずに確かめます。英語の版があるなら、それが正本か参考の訳かを仲介会社に書面で確かめます。業界団体のコラムは、宅地建物取引業法は外国語での重要事項説明を義務付けていないとしています[11]。どの版が正本かを聞き、署名の前に書面で答えをもらってください。
次の一歩
日本の住まいや一棟の建物の一覧と地域のガイドを見られます。当社を含め、どの仲介会社に問い合わせるときも、まず上の確認をしてください。
出典
- 法務省 日本法令外国語訳データベース「宅地建物取引業法」日本語の条文 第12条(平成25年までの改正を収録)、大分県「宅地建物取引業及び宅地建物取引士関係のよくある問い合わせ」(2025年6月16日更新)
- 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」、三重県「宅地建物取引業者名簿等の閲覧について」(2025年4月1日)、兵庫県「不動産取引に係る相談窓口」(2026年9月18日更新)
- 国土交通省「ネガティブ情報等検索サイト」、京都府「宅地建物取引業者及び宅地建物取引士の監督処分」(2026年9月25日更新)、埼玉県「宅地建物取引業者の監督処分」(2026年10月22日掲載)、北海道「監督処分の公表」
- e-Gov 法令検索「宅地建物取引業法」第35条、東京都住宅政策本部「不動産取引の手引き」6 契約をする前に(2)(2021年9月30日更新)、滋賀県「手続きに関するQ&A(宅建業・宅建士)」(2026年7月27日更新)、愛知県「宅地建物取引士証の交付」(2025年3月14日更新)
- e-Gov 法令検索「宅地建物取引業法」第34条の2、国土交通省「不動産取引時の書面が電子書面で提供できるようになります。」(2022年4月27日)
- e-Gov 法令検索「宅地建物取引業法」第46条、国土交通省「不動産流通について」、大阪府「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(建設省告示)」(2024年7月1日更新)
- e-Gov 法令検索「宅地建物取引業法」第3条、国土交通省 関東地方整備局「宅地建物取引業とは」、沖縄県「宅地建物取引業の免許取得」(2024年3月4日更新)
- 鹿児島県 2025年4月1日からの宅地建物取引業者票と従業者名簿の変更の案内(2026年6月15日更新)、神奈川県「標識の掲示、帳簿の備付け、従業者証明書の携帯など」(2026年7月21日更新)
- 神奈川県「閲覧について」(2026年6月25日更新)、愛知県「宅地建物取引業者名簿の閲覧制度について」(2025年8月1日更新)、東京都住宅政策本部「不動産取引の手引き」4 媒介(仲介)契約を締結するときは(1)(2021年9月30日更新)、三重県「宅地建物取引業者名簿等の閲覧について」(2025年4月1日)
- 沖縄県「宅地建物取引業の免許取得」(2024年3月4日更新)、大阪府「専任の宅地建物取引士の常勤・専任の確認方法」(2024年5月24日更新)
- 全日本不動産協会「外国人の不動産取引」(コラム、2025年3月13日)
- e-Gov 法令検索「宅地建物取引業法」第35条の2
- 法務省 日本法令外国語訳データベース「宅地建物取引業法」日本語の条文 第64条の5(平成25年までの改正を収録)、岐阜県「営業保証金関係の手続き」(2025年11月14日更新)、鹿児島市「土地・建物の取引について相談したい。」(2026年7月28日更新)
- e-Gov 法令検索「宅地建物取引業法」第34条の2、東京都住宅政策本部「不動産取引の手引き」4 媒介(仲介)契約を締結するときは(2)(2021年9月30日更新)、東京都「宅地建物取引業者に対する行政処分について」(2024年3月6日)
- 国土交通省 関東地方整備局「宅地建物取引業とは」(違反の通報)、兵庫県「不動産取引に係る相談窓口」(2026年9月18日更新)
- 国土交通省「不動産業の国際化」
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