日本で家を買うときの注意点:購入の申込み前に確かめたい7つのこと

日本で家を買うときの注意点:購入の申込み前に確かめたい7つのこと
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日本で家を買うときの注意点は、物件そのものよりも取引の進め方に多くあります(2026年9月17日時点の情報です)。仲介会社の立場と手数料、管理費と修繕積立金がこの先上がるか、現地を見られないときの補い方、将来売るときにかかる時間、災害のリスクの調べ方、書類をどの言語の版で読むか、そして税・在留資格・送金を誰に聞くか、の7つです。慎重に考えたいのは建物だけでなく、こうした取引の細部でもあるので、この記事ではそれぞれを「先に知っておくこと」と「誰に確かめるか」に分けて整理しました。

まず一覧で:7つのことと確かめる相手

項目先に知っておくこと誰に確かめるか
仲介広告には、広告を出している会社が売主・代理・媒介(仲介)のどれかが表示される。仲介手数料には法令に基づく上限がある日本で取引を担う不動産会社
管理費と修繕積立金買うときの金額のままとは限らない仲介会社(売主側に管理の資料を頼む)
現地を見ずに買う離れていても一部は補えるが、すべてではない仲介会社、建物状況調査をする建築士
将来売るとき成約までに時間がかかり、地域・築年数・管理によって違う仲介会社(同じ建物・近くの成約の記録)
災害のリスク浸水などのリスクは住所から先に調べられる。地震は別に確かめるまず自分で調べ、仲介会社に説明を求める
言語と書類国土交通省は、日本語を正本とし、訳は参考とすることを顧客と合意するよう事業者に勧めている仲介会社、通訳、司法書士などの専門家
税・在留資格・送金この記事では中身を説明しない税理士、入管業務の専門家、銀行

仲介会社:立場と手数料を先にはっきりさせる

広告の「取引態様」を見る。 日本の不動産広告には、広告を出している不動産会社の立場が「売主」「代理」「媒介(仲介)」のどれなのかが表示されます。これを「取引態様」といいます。公益財団法人不動産流通推進センターのサイト「不動産ジャパン」は、仲介手数料が必要かどうかはこの取引態様と関係があると説明しています。不動産公正取引協議会連合会の冊子も、広告の取引態様が媒介のときは、媒介の不動産会社に媒介報酬(仲介手数料)を支払うとしています。[1]自分で依頼する仲介会社の報酬が、どんな条件で発生し、いくらになるのかは、依頼するときに確かめてください。

手数料には上限があるが、上限どおりとは限らない。 宅地建物取引業法では、不動産会社が受け取れる報酬の額は国土交通大臣が告示で定め、その額を超えて受け取ってはならないとされています。不動産ジャパンも、法令で定められているのはあくまで上限額で、当然に上限額を請求できるわけではないと注意を促しています。[2]この記事では金額や計算方法は書きません。依頼する前に、この取引の手数料の計算方法と支払いの時期を仲介会社に説明してもらってください。

業者の免許は調べられる。 不動産ジャパンによると、日本で不動産の売買や仲介を仕事として行う会社には、宅地建物取引業の免許(以下、宅建業免許)が要ります。[3]国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」では、会社の商号や名称から、宅建業免許の有無、代表者名、所在地、免許が国土交通大臣と都道府県知事のどちらから出ているかを調べられます。[4]免許番号の括弧の中には、免許の更新の回数に1を加えた数が入ります。免許は5年ごとに更新されるので、数字が大きいほど、免許を取ってからの年数が長いことになります。不動産ジャパンも、これは会社を選ぶときの参考にとどまり、更新回数が少なくてもノウハウのある会社もあるとしています。[5]

一般の購入者が不動産会社を通して買うときは、契約の前に「重要事項説明」がある。 売買契約が成立するまでの間に、不動産会社は宅地建物取引士(以下、取引士)に重要事項の説明をさせます。重要事項を記載し、取引士が記名した書面を渡したうえで、口頭で説明する仕組みです。[6]この書面は、条件を満たせば電子で提供することもできます(後の「現地を見ずに買う」の節を参照)。台湾で話をしている窓口と、日本で実際に取引を担い重要事項説明をする会社が同じとは限りません。どの会社なのかを先に確かめてください。

確かめる相手: 仲介会社。取引態様、手数料の計算方法と支払いの時期、どの会社の宅地建物取引士が重要事項説明をするか。仲介会社の説明は、別の不動産会社や、税理士・建築士など第三者の話と突き合わせることもできます。

管理費と修繕積立金:買うときの金額のままとは限らない

日本でマンションの一住戸を買うと、価格のほかに、通常は毎月、管理費と修繕積立金を払います。修繕積立金は、外壁や屋根などの将来の計画的な修繕に備えて積み立てるお金です。マンションの管理は、住戸を買った区分所有者でつくる「管理組合」が行います。[7]物件を見るときに分かるのは今の金額で、将来は変わることがあります。

計画を見直すと上がることがある。 国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」は、はじめから同じ額を積み立てる「均等積立方式」を採っていても、長期修繕計画の見直しによって増額が必要となる場合があるとしています。そのうえで、どの積立方法でも、定期的(5年程度ごと)に長期修繕計画を見直し、それに基づいて修繕積立金を設定し直すよう勧めています。はじめは少なく段階的に増やしていく方式では、増額しようとする際に区分所有者の間で合意ができず、修繕積立金が不足する事例も生じているとも書いています。[8]

中古マンションなら先に資料を取り寄せられる。 国土交通省の購入者向けのリーフレットは、仲介業者を通じて売主側に管理の情報の提供を頼み、資料を取り寄せる方法があると説明しています。リーフレットの確認の表には、管理費・修繕積立金などの支払額の変更予定と、値上げ予定額がいくらかも挙がっています。ただし、マンションによっては開示される情報に限りがある場合もあります。[9]

確かめる相手: 仲介会社。長期修繕計画、ここ数年の総会の議事録、管理費と修繕積立金の今後の変更予定。

現地を見ずに買う:離れていて補えること、補えないこと

台湾に住んでいると、一つの住戸のために何度も日本へ足を運ぶのは簡単ではありません。不動産ジャパンの現地見学の説明は、時間帯や曜日を変えて周辺を見ることを勧め、雨の日には水はけの悪い場所などが分かるとしています。[10]自分で行けないときは、時間帯を変えた写真や動画を仲介会社に頼むと、その一部を補えます。ただ、写真や動画で現地の様子をすべてつかむのは難しいものです。

重要事項説明にはオンラインの方法もある。 国土交通省は2021年3月30日から、売買のオンラインによる重要事項説明(IT重説)の本格運用を始めました。2022年5月18日からは、重要事項説明書や契約締結時の書面なども電子で提供できるようになりました。二つは別の制度で、どちらも定められた条件を満たし、相手方(買主を含む当事者)の承諾を得たうえで使えます。これまでどおり対面での説明や紙の書面を選ぶこともできます。[11]

建物の状態は専門家に見てもらえる。 中古の住戸を買うときは、「建物状況調査」(インスペクション)ができるかを仲介会社に尋ねてみてください。国の登録を受けた機関の講習を修了した建築士が、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分を、目視や計測などで調べるものです。調査の結果は、すべての瑕疵がないことを約束するものではありません。買主が調査を頼むときは、先に売主の同意を得る必要があります。[12]

確かめる相手: 仲介会社。ビデオ通話で内見できるか、時間帯を変えた写真や動画を撮ってもらえるか、建物状況調査ができるか。

将来売るとき:成約までには時間がかかる

買う前に、将来どう売るかも考えておきましょう。

成約までの日数。 REINS(レインズ)は、不動産会社どうしの物件検索のシステムで、仲介の依頼を受けた会社が物件を登録すると、ほかの会社も見られるようになります。[13]東日本不動産流通機構の統計によると、2025年に首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)で成約した中古マンションの、REINSに登録されてから成約するまでの日数は82.5日(2025年の暦年の値)でした。[14]これは成約した物件だけの数字で、売れなかった物件や登録を取り下げた物件は入っていません。

人口と空き家。 国勢調査の人口の速報値では、2025年10月1日現在の日本の人口は1億2305万人で、2020年から309.7万人(2.5%)減りました。[15]2023年10月1日現在、全国の空き家は900.2万戸、空き家率は13.8%です。この数字には賃貸用・売却用の住宅も、戸建てや賃貸アパートも含まれ、分譲マンションだけの値ではありません。[16]

これらは全国や首都圏全体の数字で、個々の物件の売りやすさを示すものではありません。個々の物件を見るときは、地域・築年数・管理の状態もあわせて比べてください。買うときの費用と売るときの手取りを台湾ドルで測るなら、両替の時期と為替の水準も、換算の結果に影響します。

確かめる相手: 仲介会社。同じ建物か近くの、築年数の近い物件の成約の記録と、それらが売り出しから成約までにかかった期間(上のREINSの「登録から成約まで」とは別の指標です)。

災害のリスク:申込みの前に住所で調べる

まず自分で調べる。 国土交通省と国土地理院の「ハザードマップポータルサイト」は、二つの部分でできています。「重ねるハザードマップ」は、洪水・土砂災害(土石流・がけ崩れなど)・高潮・津波などのリスク情報を一つの地図に重ねて表示するもので、住所を入力するとその地点の災害リスクを調べられます。「わがまちハザードマップ」は、各市町村が作ったハザードマップを探してリンクしています。[17]サイトは日本語だけですが、国土交通省の防災ポータルには繁体字中国語版があり、そこからこのサイトへリンクしています。[18]

避難と水防法上の水害ハザードマップは市町村の版を。 サイトの説明によると、「重ねるハザードマップ」の情報は国や都道府県などが作った災害リスク情報で、水防法に基づいて市町村が作った水害ハザードマップではありません。実際に避難するときは市町村のハザードマップを確認するよう、サイトは案内しています。[19]

重要事項説明にも出てくる。 2020年8月28日から、宅地建物取引の重要事項説明の項目に「水防法に基づき作成された水害ハザードマップにおける対象物件の所在地」が加わりました。国土交通省のガイドラインは事業者に、浸水想定区域に入っていないことをもって、水害のリスクがないと相手方が誤認することのないよう配慮を求めています。[20]

地震は別に確かめる。 不動産ジャパンは、建物が頑丈に建てられていても、周辺の地盤が軟弱でライフラインが使えないこともあるとして、購入を検討しているエリアの防災に関する情報を調べるよう勧めています。国土交通省の購入者向けの確認表も、竣工年次を確認の項目に挙げ、新耐震基準が適用される前に建てられたものかどうかの目安としています。[21]竣工年は入り口にすぎません。その建物にどの耐震基準が適用されるか、どんな関連資料があるかは、仲介会社か建築士に確かめてください。

確かめる相手: まず自分で住所から調べます。そのうえで仲介会社に、市町村の地図での物件の位置、竣工年次と耐震に関する資料、管理組合の防災の備えを説明してもらいます。

言語と書類:どの版を基準にするかを先に確かめる

国土交通省の勧め。 国土交通省が2017年に出した不動産事業者向けの「国際対応実務マニュアル」は、契約で合意する管轄裁判所を日本の裁判所とするのが望ましいとする文脈で、媒介契約書・重要事項説明書・売買契約書などの書面について、日本語を正本とすることを顧客と合意するよう勧めています。外国語に訳せる場合は、参考訳として渡すと顧客の理解に役立つともしています。[22]これは事業者への勧めで、法令の規定ではありません。中国語や英語の訳を受け取ったら、どの版を基準にするのかを契約の前に仲介会社に確かめてください。

面積の数え方も違う。 日本の広告の面積は、原則として壁の中心線から測った面積(壁芯)で、バルコニーは含みません。ただし中古マンションでは、登記簿に記録された、壁の内側で測った面積(内法)が表示されることがあります。一方、台湾の中古住宅の売買で使う定型化契約では、売買の範囲に共有部分の持分面積(いわゆる公設)が含まれます。二つはそのままでは比べられないので、表示の面積がどちらの測り方かを仲介会社に確かめてください。[23]

確かめる相手: 仲介会社。参考訳があるか、重要事項説明書を前もって送ってもらえるか、説明のときに通訳を手配できるか。登記に要る証明書類は、登記を担当する司法書士に尋ねます。

税・在留資格・送金:この記事では説明せず、専門家に直接聞く

税:名前だけ挙げます。 かかりうる主な税目は、取得するときの不動産取得税、登録免許税(登記のとき)、印紙税(売買契約書など)、持っている間の固定資産税と都市計画税(課税しない市町村もあります)、売ったときの譲渡所得(不動産などを売って得た所得)の所得税です。[24]かかるかどうか、税額や計算方法は物件や個人の事情によって違うため、この記事では書きません。日本の税理士に確かめてください。

在留資格:別の手続きです。 日本で不動産を買うことと、在留資格を得ることは別の手続きです。在留資格のことは、出入国在留管理庁か、入管の申請業務を扱う専門家に確かめてください。この記事では在留資格の中身は説明しません。[25]

送金と届出。 台湾からの送金の経路と日数、為替の動きが支払いに与える影響、取得後に日本の政府へ報告が要るかどうかも、申込みの前に仲介会社・銀行・専門家に確かめてください。台湾側で申告が要るかどうかは、台湾の会計士と銀行に尋ねてください。

日本で家を買って後悔しないために:判断が変わる場合

  • 自分で何度も現地に行ける、または日本語が読めるか通訳がいる: 見学と言葉の二つの負担は軽くなります。
  • 短期に売る予定がない: 売るときの比重は下がりますが、長く持つほど、修繕積立金がこの先どう見直されるかを先に見ておきたいところです。
  • 想定される浸水が深い、管理の資料が出てこない、または取引態様や手数料の説明がはっきりしない: 部屋が気に入っていても、いったん止めて考え直す理由になりえます。

これは編集部の整理で、将来の値動きや投資の成果には触れていません。

このチェックリストを持って物件を見る

まずはこのサイトに掲載中の日本の物件を見てみてください。気になる物件が見つかったら、各節の最後にある「確かめる相手」の項目を質問の形にまとめ、申込みの前に仲介会社に渡しましょう。

出典

  1. 不動産広告の見方(基本編)(不動産流通推進センター「不動産ジャパン」);住まいを選ぶ前に知っておきたい 不動産広告の読み方・見方(不動産公正取引協議会連合会)
  2. <消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ(国土交通省);宅地建物取引業法 第46条(e-Gov法令検索);仲介手数料について(不動産ジャパン)
  3. 不動産会社について調べる(不動産ジャパン)
  4. <消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ(国土交通省);建設業者・宅建業者等企業情報検索システム(国土交通省)
  5. 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(国土交通省、2026年4月1日施行版)第6条関係;不動産会社について調べる(不動産ジャパン)
  6. 重要事項説明のチェックポイント(不動産ジャパン);宅地建物取引業法 第35条(e-Gov法令検索)
  7. マンションの修繕積立金に関するガイドライン(国土交通省、2024年6月改定);快適なマンションライフのはじまりは…マンションの管理を知ることから!(国土交通省、2025年3月)
  8. マンションの修繕積立金に関するガイドライン(国土交通省、2024年6月改定)
  9. 快適なマンションライフのはじまりは…マンションの管理を知ることから!(国土交通省、2025年3月)
  10. 現地見学時のチェックポイント(不動産ジャパン)
  11. IT重説の本格運用について(国土交通省、2021年3月30日);不動産取引時の書面が電子書面で提供できるようになります(国土交通省、2022年4月27日);ITを活用した重要事項説明 実施マニュアル(国土交通省、2024年12月);オンラインでの不動産取引について(国土交通省)
  12. 建物状況調査(インスペクション)活用の手引き(国土交通省、2024年4月)
  13. <消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ:「レインズ」(REINS)とは(国土交通省)
  14. 首都圏不動産流通市場の動向(2025年)(東日本不動産流通機構、2026年1月20日)
  15. 令和7年国勢調査 人口速報集計 結果の要約(総務省統計局、2026年5月29日)
  16. 令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要(総務省統計局、2024年9月25日)
  17. ハザードマップポータルサイトを活用して災害に備えよう(国土交通省・国土地理院、2025年6月5日);ハザードマップポータルサイト
  18. 防災ポータル(繁体字中国語版)(国土交通省)
  19. ハザードマップポータルサイト よくある質問;新機能の説明(国土交通省・国土地理院)
  20. 不動産取引時において、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明を義務化(国土交通省、2020年7月17日)
  21. 現地見学時のチェックポイント(不動産ジャパン);快適なマンションライフのはじまりは…マンションの管理を知ることから!(国土交通省、2025年3月)
  22. 不動産事業者のための国際対応実務マニュアル(国土交通省、2017年8月)
  23. 住まいを選ぶ前に知っておきたい 不動産広告の読み方・見方(不動産公正取引協議会連合会);不動産広告の見方(基本編)(不動産ジャパン);成屋買賣定型化契約應記載及不得記載事項(台湾・内政部)
  24. 不動産取得税、固定資産税、都市計画税(総務省);登録免許税の税額表、印紙税額の一覧表、譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)(国税庁)
  25. 在留資格から探す(出入国在留管理庁)

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